田名網敬一『TANAAMI!! AKATSUKA!! / 45 rpm』展が、2024年5月14日(火)から6月30日(日)まで集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリー(麻布台ヒルズ)にて開催される。本展では、田名網敬一×赤塚不二夫のコラボレーション新作「TANAAMI!! AKATSUKA!! / Revolver」を公開・販売。
田名網敬一とは
田名網 敬一(たなあみ けいいち、1936年7月21日 – )は、幼少期の戦争体験とその後に触れたアメリカ文化からの影響が反映された、ポップでカラフルな作風で名を馳せる日本人アーティスト。アートディレクターやグラフィックデザイナーを担い、映像作家としても活動する、媒体に捉われない創作活動の幅は広い。
これまでの主な展覧会としては、「マンハッタン・ユニヴァース」(ヴィーナス・オーヴァー・マンハッタン、ニューヨーク、2022 年)、「Keiichi Tanaami」(ルツェルン美術館、スイス、2019 年)、「Keiichi Tanaami」(ジェフリー・ダイチ、ニューヨーク、2019 年)などが挙げられる。
昨年2023年には、生前に親交があった赤塚不二夫に思いを馳せたスペシャルコラボレーション展『TANAAMI!! AKATSUKA!! That‘s All Right!!』を渋谷PARCOで開催。『天才バカボン』や『ひみつのアッコちゃん』、幻の作品『花ちゃん寝る』をモチーフにしたアート作品を公開した。
2024年8月には国立新美術館にて初の大規模個展も控えている。
グラビア印刷で生まれた「ミスプリント」をジャケットに
今回開催される『TANAAMI!! AKATSUKA!! / 45 rpm』での主な展示作品は、グラビア印刷によるレコードジャケットだ。
日本の出版におけるグラビア印刷は、2021年12月に稼働を停止。
そのグラビア印刷で赤塚作品モチーフのペインティングやコラージュを刷ると、多くの「ミスプリント」が生じた。瞬時に版ズレが補正されるオフセット印刷が主流の現代では、この「ミスプリント」を見る機会は希少だ。大きな版ズレ、色カケ……。田名網はこの「ミスプリント」を「いずれもユニークな価値」とし、ジャケットに昇華。
本展では、そのジャケットを展示する他、限定先行販売も行う予定。
12インチ(LP盤サイズ)、180グラム重量盤、45回転。999枚限定。8800円(税込)※おひとり様6枚まで。
さらに、センターレーベルをレンチキュラー印刷で制作し、グラビア印刷の「版」をイメージさせるメタリックなアウタージャケットで覆った特別ヴァージョンも制作。
田名網敬一のサイン入り。限定100枚。55,000円(税込)※おひとり様2枚まで。
グラビア印刷機の音を扱った実験音楽等を収録
レコードA面には、赤塚不二夫と深い親交のあった坂田明が「TANAAMI!! AKATSUKA!!」のために多重録音を行った即興曲「Meehr!!」と、グラビア印刷機の音をもとに下岡晃(Analogfish)が作曲した楽曲「Revolver」の2曲を収録。B面にもまた、TOPPAN川口工場でのグラビア印刷の音が収められる。その情景は、付属のライナーノーツにて紹介されるとのこと。
開催概要
TANAAMI!! AKATSUKA!!/ 45rpm
会期:5月14日(火)〜6月30日(日)※月曜休廊
時間:11:00~20:00
会場:集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリー
105-0001東京都港区虎ノ門5−8−1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA B1
公式HP:https://mangaart.jp/ja/news/tokyo_gallery
赤塚不二夫で繋がる音楽家と小説家によるライブイベントも
また、2024年5月20日(月)には、同じく麻布台ヒルズ内の大垣書店にて、ミュージシャン・坂田明と小説家・いしいしんじによるライブパフォーマンスも行われる。
ミュージシャンである坂田明は、赤塚不二夫の盟友だった。そして、小説家・いしいしんじは「生涯のベスト1」の本として『天才バカボン』を挙げ、こどもの頃に「あんな格好いい人いないと思って手紙を書いた」という。
グラビア印刷作品の制作時に生まれた「ミスプリント」を製本した大型本をめくりながら、坂田明が音楽を、いしいしんじが短編小説を、「その場」で放ち、かきむしり、爆発させるイベントだ。
場所:大垣書店・麻布台ヒルズ店
東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ タワープラザ4F
日時:5月20日(月) 20時開場 20時15分開演
入場料:無料
*関連商品、または併設のカフェバーでドリンクをご購入ください。
*書店営業後のイベント開催。立ち見でのご観覧となります。ご来場いただいた順にご案内いたします。